
自己破産の手続きでは日常生活においていくつかの変化が生じます。自宅に郵送される郵便物の取り扱いも変わり、管財事件となった場合、多くのケースにおいて郵便物は管財人の元へ転送されます。
(同時廃止事件の場合は管財人が選任されないので、郵便物の転送は行われません。)
この記事では、自己破産手続における郵便物の転送について、転送される理由や、転送された郵便物がどう扱われるのかについて解説します。
管財事件の自己破産手続では破産管財人へ郵便物が転送される
冒頭でも触れたとおり、管財事件になった場合、破産者宛の郵便物は全て管財人の元へ強制的に転送されます。
これは、破産管財人は、破産者が持つ財産を適正に管理し、処理するという重要な役割があります。これらの郵送物を検証することで、認知のない保険契約等の財産や把握できていなかった債務の存在が判明することがあります。また、ダイレクトメール等から浪費等の免責不許可事由が明らかになることもあります。
転送は裁判所から信書の送達を行う者(ここでは「郵便局」と思ってください。)に対し、「破産者宛の信書を破産管財人に配達する」ように嘱託します。
同時廃止の場合
破産管財人が選任される(つまり「管財事件」になる場合)のは、換価可能な財産が存在する若しくは存在しうる場合や免責不許可事由の調査が必要な場合に限られます。破産管財人に郵便物が転送されるのは、それらについて調査を行うための措置です。
そのため、財産がなく免責不許可事由の疑いもない場合には同時廃止事件として処理され、破産管財人は選任されず、結果として郵便物を転送する必要も生じません。
転送される郵便物の種類
自己破産の際に破産管財人へ転送される郵便物は、基本的に「信書」に限定されます。手紙やはがき、請求書、各種の証明書、そして一部のダイレクトメールなどが信書に該当します。
同居人宛の郵便・宅配業者の荷物は転送されない
転送の対象となるのは、破産者宛の郵便物のみなので、同居の家族宛の郵便物や、宅配業者によって宅配される荷物などは転送の対象になりません。
自己破産で郵便物が転送される期間
郵便物が破産管財人に転送される期間は裁判所や事案によって運用が異なるようです。
例えば、申立てにかかる全期間転送をする場合もあれば、一回目の債権者集会まで等、申立て期間の中で期間を定めて行う場合もあります。
ただ、この期間内でも、破産管財人は必要に応じて郵送物を返送することがあります。また、破産管財人に送達された郵便物は破産者が閲覧することができ、破産とは関係のないであろう郵便物であれば交付を求めることができます。
実務上は、定期的に破産とは関係ない郵便物を破産者に引き渡すことが多いようです。引き渡しの方法は弊所で過去に扱った案件では、破産者本人が破産管財人の事務所に訪問して交付を受けることが多いようですが、決まった方法があるわけではないので、破産管財人と検討することとなります。
まとめ
以上です。事案によっては同時廃止事件と扱われることもあり、その場合は郵送物が転送されることはありません。
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