「借金を整理したいけど、どこからいくら借りていたか思い出せない」
こういった悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。
昔の借金について調べることは、ベストな債務整理の方法を知るために重要なポイントです。
今回の記事では、昔の借金がわからない場合の調べ方や、発覚した借金への対応方法をご紹介します。
昔の借金がわからない場合の調べ方
昔の借金が分からない場合、債権者名や金額の情報を調べる方法は次のとおりです。
信用情報機関から信用情報を取得する
自分自身のこれまでの借金に関する情報は、例外を除いて全てが信用情報機関に記されています。
日本にある信用情報機関は、CIC、JICC、全国銀行協会の3機関です。
CICは主に消費者金融が加盟し、JICCは主にクレジットカードやローン会社が加盟しています。全国銀行協会は、全国で活動する銀行が加盟しています。
この3つの信用情報機関それぞれに対して開示請求をして信用情報を取得することで、加盟する消費者金融やカード会社、銀行などからの借金の金額や、返済状況などを確認することができます。
信用情報を取得するときの注意点
基本的に、信用情報の取得は本人が行わなければいけません。取得の方法はインターネットと郵送の2つです。(かつては各機関の窓口で取得出来ていましたが、令和5年10月現在はいずれも窓口取得は対応していません。)
信用情報機関によって取得に必要な情報は異なりますが、主に以下のような項目を準備しておくといいでしょう。
- 氏名(旧姓がある場合は旧姓)
- 住所(過去に住んだ住所があればそれも全て)
- 電話番号(過去に使用していた電話番号があればそれも全て)
- 本人確認書類2点以上(運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなど)
- 信用情報開示申込書(郵送の場合)
昔の情報が必要になる可能性もあります。過去に氏名や住所、電話番号が変わっている場合は、それらの情報も整理しておくと、無駄な手間がなくスムーズな取得ができます。
また、開示請求の手数料がかかることも覚えておきましょう。
信用情報の開示について、詳しくは各信用情報機関の案内をご覧ください。
『情報開示とは』(CIC)
『開示を申し込む』(JICC)
『本人開示の手続き』(全国銀行協会)
信用情報に記載がないパターンにも注意
仮に消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者が、倒産もしくは貸金業を廃業・売却していたとしたら、開示しても信用情報に記載されていない可能性があります。
その場合は新しい債権者(債権回収会社等)からの通知が来るのを待つ必要があります。
ほか、債権回収会社等に債権譲渡した場合も信用情報の記載情報が消えることがあります。
その場合はやはり信用情報から債権を追うことが難しくなります。
また、保険の契約者貸付制度を利用している場合も信用情報には記載されません。
契約者貸付制度とは、生命保険の解約時の返還金を一部前借りする形で、保険会社からお金を借りる仕組みのことです。
保険会社の中で完結している借金で信用情報には記載されませんが、返済をしないと保険が失効するおそれがあります。
心当たりのある保険会社に問い合わせてみるのが最善です。
発覚した借金の対応方法
続いて、昔の借金が具体的に判明して、借金を返していく必要があることがわかった場合に取るべき対応方法について見ていきましょう。
借金と収入をしっかり計算する
何件の債権者から借金をしていて、毎月いくらくらい返済しないといけないか、それに対して自分の現在の収入はいくらなのかなど、借金と収入の金額を明確に把握することが大事です。
後述の時効援用が出来ない場合、昔の借金=長期間滞納している借金については債権者側は分割に応じない可能性もあります。
債権者の数や債務総額、債務の状況(時効完成の有無など)によって次に取るべきベストな対処法が変わります。
時効が適用されるか確認する
借金は、支払い期日である「弁済日」から5年もしくは10年が経過すると時効(消滅時効)となります。
※令和2年4月1日以降は改正民法が適用され、全て5年。それ以前は商事債権は5年、非商事債権は10年です。
ただし、時効を迎えただけでは借金は免除されません。時効であることが分かったあとに「消滅時効の援用」という手続きを行うことで、初めて時効を迎えた借金の返済義務が免除されます。
「消滅時効の援用」のためには、まず最終の取引日や信用情報の記載事項から時効が成立するかどうかを確認し、自ら債権者に消滅時効の援用を通知する必要があります。
時効援用の意思を通知する形式そのものは方法を問わない…つまり、口頭でもハガキでも可能ですが、後々援用意思を示したかどうかが残らずトラブルになる可能性もあるので、内容証明郵便で時効援用通知書(時効を援用する旨を記載した書類)を作成して債権者に送るのが望ましいと言えます。
借金が払えない場合は債務整理を検討する
判明した昔の借金について、時効の完成猶予事由がある、あるいは時効の期間が経過しておらず、その借金に対して返済計画を立てられない場合は、債務整理を検討した方がいいかもしれません。
任意整理をする
一般的に「任意整理」をご説明する場合、債権者ごとに返済計画を交渉して、今の契約より条件を緩くしてもらう方法と応えることが多いですが、本件では長期滞納債務なので、どちらかと言えば「長期間溜まってしまった損害金も含め、新たに分割弁済する契約を締結する」と言ったほうが適切かもしれません。
将来の利息を大きくカットして、毎月決まった金額を返済していきます。
裁判を介さず、財産や保証人に影響が出ないメリットがあるのが特徴です。
稀にですが、「昔は払えなかったが今は一括で払える」といったケースもあります。
その場合は経過利息の一部もしくは全部をカットして一括弁済の契約を締結することがあります。
但し、言葉の通り「任意」なので、利息のカットに応じるか、もっと言えば交渉に応じるかどうかは全て債権者の判断にゆだねられます。
個人再生をする
将来の利息をカットし、借金総額を大幅に圧縮する「個人再生」という方法があります。
裁判所を通して行う手続きで、再生計画の認可を得ることで個人再生を行うことが可能です。
自己破産をする
借金総額が巨額で返済が極めて困難な場合、自己破産を行うことで全ての借金の返済を免れることができます。
裁判所に申し立て、認められれば裁判所主導のもとで行われます。
自己破産は債務整理の最終手段です。不動産や車などの財産を手放さなければならず、親族にまで影響が及ぶようなデメリットがあります。
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まとめ
今回は、昔の借金がわからないときの確認方法や、昔の借金が判明したときの対応方法について解説しました。自分に最適な選択肢が何かを知るためには、いま返済しなければいけない借金をきちんと整理することが重要です。
ただし、債務の現状を把握するには複雑な手順や専門的な知識が必要になります。もしご不安であれば、専門家に一度相談することをおすすめします。
では最後に、この記事のポイントを振り返りましょう。
- CIC、JICC、全国銀行協会の3つの信用情報機関から信用情報を取得する
- インターネットもしくは郵便の方法で信用情報を取得する
- 借金と収入をしっかり計算する
- 時効が適用されるか確認する(時効は5年もしくは10年)