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新入社員で知らない土地に赴任。不安の中で出会ったネットワークビジネスで多額の借金が!

 

地元の大学卒業後、就職早々の赴任先は知人が一人もいない大阪だったというAさん。

先輩からの厳しい指導と慣れない土地でのストレスから、SNSで出会ったネットワークビジネスに惹かれていきます。

「不労所得を得て富裕層になりたい!」

という強い思いで副業に励みますが、残ったのは多額の借金だけ。Aさんは、どのように生活を立て直したのでしょうか。

 

孤独な環境とストレスに苛まれたAさんが逃れた先は…

 

Aさんは、奥様と2人で暮らす30代の男性です。現在では穏やかな毎日を送っていますが、20代の頃はネットワークビジネスによって多額の借金を抱えていました。まずは、借金を負うことになったきっかけから説明しましょう。

地元の大学を卒業して新社会人となったAさんの赴任先は、地元から遠く離れた大阪でした。
気心の知れた友人はおろか知人すらいない環境と、会社の先輩から厳しく指導される毎日に、出口を失ったストレスは溜め込まれる一方です。そんな中、AさんはSNSでネットワークビジネスの紹介者と知り合いました。

ネットワークビジネスの仲間たちはAさんを暖かく迎え入れ、Aさんを肯定する言葉をかけてくれたそうです。

孤独な環境と仕事のストレスに追い詰められていたAさんは、自然と

この人達と一緒にいたい

と思うようになりました。

ネットワークビジネス関係者は、

不労所得を得るためには、考え方を変えなければいけない。考え方を変えるには、一緒にいる人を変えなければいけない

と口癖のようにAさんに語り、やがてAさんもその考えに感化されていきます。

 

不労所得に惹かれ副業に手を出すものの、残ったのは多額の借金!

 

マルチ商法と呼ばれることもあるネットワークビジネスは、会員を増やして商品を販売することで利益を得るピラミッド式のビジネスです。

自分の勧誘をきっかけとして会員が増えれば増えるほど、紹介料などの報酬が増えていく仕組みになっています。違法ではありませんが、よほど上手くやらないと利益を上げられず、トラブルになることも多い商法と言えます。

ネットワークビジネス仲間の考えに感化され、不労所得や裕福な暮らしに憧れたAさんは、副業としてネットワークビジネスに参加することを決断します。

Aさんが関わることになったネットワークビジネスでは、健康食品を扱っていました。そのため、Aさんも商品となる健康食品を大量に買い込み、会員を増やし商品を売るノウハウを教えるセミナーへ参加することとなります。

しかし、健康食品の購入にもセミナー参加にもお金が必要です。
Aさんは、正社員としての勤務を終えた後に深夜アルバイトを行いましたが、資金が足りません。

ご両親からもお金を借りましたが、それでも足りなく、資金繰りに困ったAさんは、銀行のカードローンだけでなく消費者金融へ手を出し、結果、裕福になるどころか、多額の借金を抱えてしまったのです。

 

奥様とのお付き合いが実り結婚!一方のネットワークビジネスは実らず

 

ネットワークビジネスを原因とした借金が嵩んでいく一方で、Aさんはお付き合いを続けていた女性と結婚することになります。

現在の奥様となるその女性には、ネットワークビジネスを行っていることは伝えていました。
奥様は「ネットワークビジネスをやめてもらいたいけど、やめてと言っても聞かないだろうから見守ろう」と考えていたそうです。

Aさんはネットワークビジネスで結果を出して収入があるかのように見せていたため、奥様もそこまで心配はしていなく、借金をしてまでネットワークビジネスを行っているとは思ってもみなかったのです。

しかし現実は、その頃のAさんの借金は400万円にまで膨れ上がり、借入先も7件になっていました。
セミナーを受講してもネットワークビジネスは一向に上手くいかず、憧れの不労所得は夢のまた夢です。

奥様という人生の伴侶を得たものの、借金とネットワークビジネスの不調により、Aさんはだんだんと追い詰められていきます。

 

Aさんを襲う体・精神の不調と、奥様への借金発覚

 

Aさんは資金を作るために深夜アルバイトを続けており、常に眠いという状態が続いていました。

ストレスから喘息や食欲不振といった体調不良に加え、ネットワークビジネス側から「成果を出せ」と言われ続けたことが原因で精神的に参ってしまいます。

セミナーへの参加やビジネス仲間に会おうとすると、吐き気や頭痛、咳といった症状が出るようになりました

借金の返済は困難になっており、とうとうおびただしい量の郵便や電話による催促が行われるようになります。最終的に自宅へ取り立てが来るようになり、とうとう奥様にも借金が明らかになってしまいました。

Aさんは自身が追い詰められていたことはもちろんですが、
何よりも「何も言わず見守っていてくれた妻にお金の苦労をさせたくない」と思ったそうです。

そんな時、市役所の広報に掲載されていた借金相談の案内が目に留まりました。藁にもすがる思いで即日相談を行ったAさんは、債務整理のために司法書士を紹介してもらうことになったのです。

 

自己破産によって心にも金銭面にも余裕が生まれたAさんの現在は

 

Aさんの状況を聞いた司法書士は、自己破産を提案しました

自己破産には

一定期間、ローンが組めない
一定期間、就けない職業がある
官報に掲載される

といったデメリットがあるものの、借金の返済義務がなくなるという替えがたいメリットがあります
また、自己破産手続き後の収入は、生活費や貯蓄のために使うことが可能です

Aさんの自己破産手続き開始から終了までにかかった期間は8ヶ月ほどです。

自己破産手続き前のAさんは、少しでも高い収入を得ようと転職を繰り返し、深夜アルバイトを掛け持ちする日々でした。

自己破産手続き終了後は精神的な余裕が生まれたためか、転職先の会社で非常に良い人間関係を築くことができたそうです。
また、給与面においても、かつての給与に深夜アルバイトの収入を加えた程度の給与をもらっているため、生活にゆとりが生まれました。
奥様に家計を全て見てもらい、現在は年に数回は旅行ができる程度の余裕ある暮らしをしています。もちろん、喘息や食欲不振といった体調不良もありません。

自己破産を行って不便なことと言えば、ローンが組めず車やマイホームの購入ができない等です。
こういう時は、「なぜ借金を作ってしまったんだろう」「ネットワークビジネスをやっていなかったら、今の人生どうなっていたんだろう」と思うこともあるそうです。

しかしそれ以上に、奥様がずっと見守ってくれたことに対する感謝や、自己破産を行ったことで得られた今の仕事や暮らしに対する幸福感が断然強いとAさんは語ります。

 

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