検索エンジンで「リボ払い」と打つと、候補の中に「リボ払い 人生終了」「リボ払い 地獄」「リボ払い オワタ」など物騒なワードが候補としてあがってきます。
実際にリボ払いをしてしまうと人生終了してしまう…ということは基本的にないのですが、なぜこのようなことを検索する人が多いのか?ということと、どのようにリボ払いから脱却していくのが良いのかを考えてみたいと思います。
リボ払いで人生終了?借金地獄になる理由
リボ払いと言えば、一般的に「借金地獄」や「高金利」、「自己破産の原因」というような悪いイメージで捉えられることが多いです。一方で、月々の返済額が少ないから手軽に利用しやすいという面もあります。
リボ払いの基本的な事項や仕組みをまずはご説明します。
リボ払いのしくみ
通常クレジットカードの返済額は使った分が多ければ多いほど翌月または翌々月の返済(支払額)が増えます。
よく分割払いとリボ払いの違いがわからないという方もいますが、分割払いの場合は使った金額に応じて手数料(貸金で言う利息)を足した額を支払うもので、翌月に来る請求の額は「利用した金額」に比例して増えます。
一方リボ払いではどれだけ使っても、基本的に毎月の返済額は「決まった額」を返済します。使った分に比例しないので、翌月の支払いの額をあまり気にせず安心して利用できます。ただし、毎月最低でも「手数料部分(利息)」は満額払わなくてはいけません。そのため、利用額に応じて「最低弁済額」が設定されている契約がほとんどだと思います。
手数料を支払っても使った分の元金は減りませんから、当然完済するまでにカード会社に支払う総額(元金+手数料)は期間が伸びれば伸びるだけ増えてしまいます。
その間もリボ払いを利用して買い物をしてしまうと、支払う手数料の金額が増えていくこと、やがて限度額に達してしまい新規で買い物ができないという状況になってしまいます。そうなってしまうと、カードを使って買い物はできず、毎月の返済はしなければいけない、しかもリボ払いなので毎月元金は少しずつしか減らないのでいつまでたっても返し終わらない…という負の連鎖に巻き込まれてしまいます。
リボ払いを続けるとどうなる?シミュレーションで解説
実際にリボ払いを利用しているとどれくらい手数料がかかるのでしょうか?
実際に以下の条件でシミュレーションしてみました。
利用額30万円、毎月の支払い5000円で固定、手数料(利息)15%
利用日は令和7年3月21日、初回返済が令和7年5月1日から毎月1日の返済
条件を見ると「30万円も使ったのに、毎月5000円の返済で良いなんて楽だな…」と思うかもしれません。
しかし、実際にシミュレーションすると以下の通りです。(表を作成しましたがあまりにも長いので省略しています。)

総支払額が約185%増で要するに手数料(利息)部分で85%もかかっている計算になります。
更にクレジットカードのリボ払いの場合良くないことがあります。
上記のシミュレーションはあくまでも「1回だけ30万円利用して、毎月5000円返す」シミュレーションですが、実際にこのような使い方をする方はまずおられません。
実際には毎日、毎週、毎月…生活費などの何らかの支出に追加で利用してしまいます。ただでさえ、毎月の返済額に対して元金が減る部分が極端に少ないにも関わらず追加で債務が発生したらいつまでたってもリボ払いが終わりません。
一般的にこのような状況に陥ることを「リボ払い地獄」と指します。
リボ払いから抜け出すための具体的な対策
一括返済・繰り上げ返済の活用法
先程リボ払いによって「元金が減りにくい状況」になることをご説明しました。この状況を回避するためには、すごく大雑把に言えば、「元金が少しでも多く減るようにすればよい」という結論になります。
元金を多く減らすためには返済する金額を多くして、元金を削っていくのが良い方法です。
おまとめローンによる借り換えの検討
リボ払いの一般的な手数料(利息)は大体年15%程度のものが多いです。
銀行系のカードローンと同程度、消費者金融の金利よりは若干低いという程度の高金利商品です。
もし、おまとめローンで手数料の年率を下回る契約で貸付を受けられるのであれば借り換えするのも一つの選択肢です。
但し、この場合「絶対にカードは解約」してください。
間違えて、再度カードを使ってしまうと最悪の場合債務の額がおまとめローン(借り換え先)とクレジットカード(借り換え元)で二倍近くの債務を抱えてしまうことになります。
実際に個人再生や自己破産せざるを得なくなった方には「おまとめローンを組んで完済した後に、完済した先から再度借り入れてしまい債務が増大した」という方も多いです。
債務整理(任意整理・自己破産・個人再生)という選択肢
リボ払いの返済が難しくなった場合に、債務整理というのは一つの手段として考える余地があります。
デメリットとしては新規での借入れが難しくなるというものがありますが、早期に根本的な解決を図るためには有効な手段の一つです。
実際に任意整理することで月々の返済額を抑えることで、クレジットカードに頼らない生活を得ることができた方が大勢いらっしゃいます。
任意整理の場合は概ね残債務を60分割、利息カットで返すことが多いので、仮に先程の返済額シミュレーションの30万円を総債務とすると、毎月5000円を60回返せば簡裁になります。
利用したばかりで債務整理するのは好ましくないですが、数字の話だけすれば、単純にずっと手数料を払い続けるよりも早期に完済でき、経済的更生につながることが多いです。
※上記のシミュレーションのように利用したてでの債務整理は債権者を不当に害することから基本的にはお受けしておりません。あくまでも残債務30万円、年間の手数料率15%の債務を任意整理した場合のお話になります。
※債権者の内部規則や利用状況によって異なります。成果を保証するものではございません。
まとめ
- リボ払いで人生終了することはない
- 但し、リボ払いを長期的に継続していくと、いつまでも元金が減らない「リボ払い地獄」に陥っていくことがあり得る
- 早期にリボ払いを脱却するには返済額を増やすのが良い
- 場合によっては債務整理をした方が将来的に良い場合がある