最近司法書士や弁護士の事務所が運営するサイトで「借金の減額シミュレーター」というものを見かけますね。
各事務所によって微妙に異なるのですが、概ねシミュレーターに「何社に借金があるか?」「総額いくらくらいか?」「取引して何年くらいか?」「年収はいくらか?」等、借金と問い合わせする人のことを入力させていきます。
大体の場合は最後まで行くと、「減額診断の結果を通知するので、氏名と電話番号を入力してください」と言われます。
最後まで入力すると、後日運営している事務所から電話が入り、結果が通知されたうえで面談の予約がされるというのが一連の流れのようです。
中には「減額診断」の額が表示され、「今すぐここに電話ください」と相談の電話を促すケースもあります。
さて、実際に「借金の減額シミュレーター」は本当にシミュレーションできるのでしょうか?
今回は債務整理を数多く手掛ける当事務所の知識経験に加えて、実際にシミュレーターを利用したことがあるご依頼者様に伺った話なども踏まえて検討してみたいと思います。
そもそも借金の減額とは何を指すのか?
「借金の減額」という文言はここ数年、債務整理の広告などで頻繁に見かけるものです。
減額の定義については、実は結構曖昧なのですが、大体以下のように使うケースが多いと思われます。
・任意整理の場合は完済するまでの利息を一部または全部免除すること【完済するまでに支払う借金の総額が減ること】
・自己破産や個人再生の場合、借金の一部もしくは全部が払わなくていいことになるので【元金を含めた借金の一部(個人再生)、全部払わなくて良いことになる(自己破産)こと】
・過払金がある場合は、過払金と現在の債務を差引きすることで【過払金の分だけ減額になること】
つまり、債務整理することで契約通りに払うよりも、支払う金額が安くなる、ゼロになるということを「減額」と呼んでいます。
「借金減額シミュレーター」でわかることは?
任意整理の場合は、最近は一概に言えなくなってきていますが和解日までの元金と利息を足した額を「60回で分割」するというのが相場の一つとしてあげられます。
また、各業者にも大体社内規則があって、相場は大体決まっています。(A社の場合「36回じゃないと和解しない」とか「B社は100万円超えていたら72回までは分割してくれる」など基準がある場合が多いです。)
個人再生の場合は法律で定められた基準で返す金額が決まります。
自己破産はそもそもゼロになる前提なので、試算すると絶対にゼロになります。
従って、これらの法則に当てはめれば凡その目安は出るので、シミュレーターに予め計算式を覚えさせておけば簡単に作ることが出来ると思います。
実際に減額シミュレーターを扱う事務所に聞いているわけではないのでわかりませんが、大体の場合は上記の基準をあてはめて自動計算して算出するものと思われます。または、面談に誘導するまでの情報収集の一環として情報を入力させている可能性もあります。
いずれにせよ、減額シミュレーターは債務整理を検討してもらうきっかけづくりという側面と、見込み依頼者の情報収集のために利用されるものです。
「減額シミュレーター」はアテになるのか?
仮に、減額シミュレーターの利用で、「あなたの月の返済月額は●●円~××円くらいです」と表示されたとして、その数字はアテになるのでしょうか?
実務上の話をすると「参考程度にはなる」というのが正解だと思います。
実際に個々の事情を知らない状態で目途を見積もるとすれば、先ほど紹介したような基準で算定することが多いからです。
ただし、シミュレーターで算出された数字にこだわりすぎると後々別な問題が生じる可能性があるので注意する必要があります。
減額シミュレーターでは確認できないこと
簡単な計算であればシミュレーターを作るのは簡単ですが、個別具体的な事情をくみ取るのは難しいのではないかと思います。
例えば、借入れの事情や家族の状況、同居者がいる場合はその関係性や借金の認知の有無、本人の意思、本人と債権者との間でどういうやりとりがあったかなどです。
個人再生の場合には所定の計算方法にのっとった「財産額」によっても返済額が左右される可能性がありますので、実際には資料に基づいて検討する必要があります。また同居者がいる場合には同居者の書類を要するなど手続きも煩雑なので、きちんと準備出来る状況かどうかを検討する必要があります。自己破産の場合にも同様です。
こういった点については面談を通じて認識して、最終的に方針を決める必要があります。
債務整理を依頼するときの注意点とは?
最後にシミュレーターをかけた事務所に依頼する場合でも、そうでない場合でも共通の注意点をご紹介します。
⑴ 誰に対して、月にいくら、総額いくら払うのかを明確にする
最近、他の事務所に債務整理の依頼をしたが、「今どうなっているかわからない」や「毎月●円事務所に振り込むように言われているが、報酬なのか弁済金なのか定かじゃない」というケースを見かけます。
送金代行を受けている事務所の場合は、報酬金も弁済金も依頼している事務所に行うのですが、結局誰にいくら払ってそれがいつまで続くのかわからないという話を聞きます。
もちろん説明責任を果たしていない事務所は、あったとしても極めて少数だと思いますが、ご本人で認識できていないのであればしっかりと依頼している事務所に確認するようにしましょう。
⑵ 実際にどのような手続きを、いつ、どのように進めるのかを明確にする
同じように他の事務所に依頼している方で、「自己破産申立てを依頼しているが依頼している事務所から連絡も来ないし、どうなっているかわからない」というご相談もあります。
進捗確認ができていないケースだと思いますが、こういった場合も依頼している事務所に確認するようにしましょう。
中には派生して「お金だけ延々と依頼先に払っているが、何も起きないので不安だ」という方もおられます。
自己破産や個人再生の場合、書類収集や家計表の記帳は継続的に行う必要がありますが、費用の積立てが長期化しやすく動きが鈍い時期もあります。
⑶ 当初のシミュレーション通りになりそうかどうかを明確にする
シミュレーターを使うなどして、ある程度のめどをつけたうえで債務整理手続きを依頼した場合、進捗確認と同時に「当初思った通りに進みそうかどうか」を確かめる必要があります。
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