「借金に困っている人のために借金減額の措置があるって聞いたけど、本当にあるの?」
「そんな都合のいい話あるの?そもそも合法なの?」
「借金減額したら、家族にバレる?」
このような疑問を持つ方のために、借金減額とは本当にできるのか、法的に認められているのか、具体的にどのように行うのかについて解説します。
結論を先にいうと、借金減額制度とは一部士業事務所が債務整理の広告のキャッチフレーズとして発案したものであり、実際にそのような名称の制度があるわけではありません。当事務所ではこのような表現は誤解を招く恐れがあることから使っておりませんが、今回は「借金減額制度」という表現がインターネット上で広がっていることから、その内容についてご説明します。
この記事を読んで、「借金減額制度」とはどういうものか、ご自身がどのように対処すべきかについて検討していただけますと幸いです。
借金減額の意味とは?
最近インターネット上の広告等で目にする「国が認めた借金減額制度」の意味についてです。
実際は当該広告の発信元にしか真意はわからないのですが、恐らく自己破産・個人再生といった裁判所に申立てをする債務整理方法(法的整理)を指すものと思われます。広く解釈すれば任意整理・過払金返還請求も含むのではないか?と思われます。
債務整理には、大きく分けて以下の4つの手続きがあります。それぞれの特徴と国が認めた部分(かかわる法律など)をご紹介します。
任意整理 | (任意整理)債権者と交渉し、利息の一部又は全部をカットしたり、返済期間を延長したりして、返済額を減らす手続きです。 貸金業法、債権管理回収業に関する特別措置法 (過払金返還請求)平成22年以前に取引していた場合、グレーゾーン金利の取引で過払金が発生していた可能性があります。過払金が生じていた場合、返還請求を行うことができます。 民法(703条、704条 不当利得返還請求権) |
個人再生 | 裁判所に申立てを行い、借金を大幅に免責してもらう手続きです。 民事再生法 |
自己破産 | 裁判所に申立てを行い、一部を除く全ての借金を免除してもらう手続きです。 破産法 |
特定調停 | 裁判所の調停委員を介して、債権者と交渉し、将来の利息や遅延損害金をカットしてもらう手続きです。 ※近年はほとんど利用されておらず、また調停も不成立に終わることが多いです。弊所では現在特定調停に関するご相談はお受けしておりません。 特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律 |
裁判所に申立てをする手続きについては「国が認めた借金減額制度」といえると思います。
もう少し広く解釈すれば、任意整理や過払金返還請求も法律にのっとった手続きなので、ある意味間違ってはいないと言えます。
ただ、広告方法の問題か、最近ご相談いただく方の中には誤解をされる方も多いため続きもしっかりとご覧いただければと思います。
借金減額で注意すべきこと
「借金減額は申請すれば誰でもできます」といった広告を見かけます。役所に申請書を出すようなイメージだと思われます。
しかし、実際に先程紹介した債務整理手続きをするには検討すべき事項が多く、必ずしもすべての方に適しているとは言い切れません。このあたりの説明が広告の特性上難しいのだと思いますが、少なくとも近年「面談でもきちんと説明せず受任している」ケースが少なからずあるのではないかと思います。
この点については同業者として思うところがあります。
弊所にご相談いただく際にも「借金の減額制度を申請する」という内容をちらほら頂いておりますが、実際に債務整理について説明すると「イメージしていたものと違う」といってご依頼されない方もいます。
ご依頼いただかないという決断をするのは良いのですが、中にはきちんと説明せずに受任して、後で「話が違う」とご相談いただくケースもあります。最初にリスクや業務内容の説明がないのではないかと思われるケースもあります。
個別に挙げるとキリがないのですが、一応ざっくりとした各債務整理(借金の減額制度)の注意点と「減額される幅」について挙げます。
任意整理 | 文字通り任意の交渉なので、相手方に応じる義務がない。(貸金業法や債権管理回収業に関する特別措置法では「司法書士等が受任通知を出したら、本人への督促の停止」は義務付けているが、「任意整理に応じる義務」は定めていない。) 減額については、基本的に「将来利息」の一部または全部の範囲内で減額される。元金や和解日までの利息のカットは難しい。※過去の過払金が同じ相手方にある場合は除く。 |
個人再生 | 公権力(裁判所)の力で強制的に債務を一部免責(一部をチャラにする)したり、返済期限を定める手続きなので、手続きが煩雑。 減額については、元金を含めた所定の割合が減額の対象になる。 |
自己破産 | 公権力(裁判所)の力で強制的に債務を全部免責(全部をチャラにする、但し一定の債権は除く)する手続きなので、手続きが煩雑。 |
いずれの手続きも共通するのは、「当初定めていた契約を反故にする」というものであることから、安易にとれる手続きではないということを理解しておく必要があります。
「借りたものは約束どおり返す」のは人として基本的なルールであり、法律でもそれは肯定されています。つまり、上記の手続きは「基本から逸脱した特別な手続き」であるというのが大前提であり、そこを忘れないようにしておくべきです。
借金減額の手続きは誰が行うのか?
債務整理は、基本的にご自身で行うことは難しく、専門家である司法書士や弁護士に依頼して行うのが一般的です。
誰に依頼すべきか迷っている場合は、複数の事務所に相談し、比較検討することをおすすめします。
当事務所ではセカンドオピニオンとしてのお問い合わせも積極的にお受けしています。
借金減額を自分で手続きするのは難しい
債務整理は、法律の知識が必要な手続きであり、専門用語も多いため、素人の方には非常に難しいものです。また、債権者との交渉は、専門的なスキルが必要となります。
自分で手続きを行うと、以下のようなリスクがあります。
- 手続きが複雑で、間違えてしまう可能性がある
- 債権者との交渉で不利な条件を飲まされてしまう可能性がある
- 裁判所の手続きが複雑で、期日を逃してしまう可能性がある
借金減額の流れ
①問い合わせ
簡単に現状と相談したい内容、今後どうしたいかなどを伺って必要に応じて面談予約を承ります。(事案によってご面談できない場合もあります。)
当事務所の場合、フリーダイヤル、問い合わせフォーム、LINEからお問い合わせ可能です。問い合わせフォーム、LINEは24時間365日年中無休で受け付けしております。基本的には24時間以内の返信を基本としています。(担当者の状況等によって対応時間を要することがあります。)
②初回面談
・現状の把握:借金の総額、種類、返済状況などを詳しく説明します。
・手続きの説明:任意整理、個人再生、自己破産など、それぞれのメリット・デメリットを説明します。
・最適な手続きの提案:現在の状況に合わせて、最適な手続きを提案します。
当事務所では初回のご相談は「完全無料」でお受けしています。
③委任契約の締結
債務整理の手続きを依頼することを決めた場合は、委任契約を締結します。
④債権者への通知
弁護士または司法書士から、債権者に対して、債務整理手続きに入った旨を通知します。この通知によって、債権者は本人へ直接連絡することができなくなります。
⑤-1債権者との交渉(任意整理の場合)
任意整理の場合、弁護士または司法書士が債権者と交渉し、利息のカットや返済期間の延長などを交渉します。
⑤-2裁判所への申立て(個人再生・自己破産の場合)
個人再生や自己破産の場合は、裁判所に申立てを行います。裁判所は、申立て内容を審査し、決定を下します。
⑥債務の免除または減額
任意和解、裁判所の認可・免責決定に基づき、借金が免除されたり、大幅に減額されたりします。
⑦返済開始(任意整理・個人再生の場合)
任意整理や個人再生の場合、決定に基づいて、減額された借金を返済していきます。
借金減額の注意点・デメリット
①信用情報への事故情報の登録(ブラックリスト)
債務整理を行うと、信用情報機関に事故情報が登録され、一定期間、新たな借金ができなくなったり、クレジットカードが作れなくなったりします。車のローンや住宅ローンなど、大きな買い物をする際に影響が出る可能性があります。
▶影響期間
一般的に5~10年程度ですが、手続きの種類や返済状況によって異なります。
②手続き費用の発生
司法書士や弁護士の費用がかかります。無料相談を行っている事務所もありますが、手続きを進める場合は費用がかかることを理解しておきましょう。
③家族や周囲への影響
債務整理(借金減額)が家族や職場に知られるかどうかは、手続きの種類や状況によって大きく異なります。
一般的には家族や職場に知られにくいとされていますが、絶対にバレないというわけではありません。
債務整理が家族や職場に知られるかどうかは、様々な要因が絡み合います。絶対にバレたくない場合は、弁護士や司法書士に相談し、適切な対策を講じることが大切です。
借金減額のメリット4つ
①毎月の返済額が減る可能性がある
利息のカットや返済期間の延長により、毎月の返済額が大幅に減る、場合によってはゼロになることがあります。これにより、生活費に余裕ができ、精神的な負担も軽減されます。
②督促や取り立てから解放される
債権者からの厳しい取り立てや督促から解放され、精神的なストレスから解放されます。
③将来にわたって返済計画を立てやすくなる
借金の総額が減ることで、将来の返済計画を立てやすくなり、返済に対する不安が解消されます。
④新たなスタートを切ることができる
借金問題から解放され、新たなスタートを切ることができます。
借金減額を検討したほうがいい人とは?
借金減額を検討したほうがいい人は、以下の状況に当てはまる方です。
①毎月の返済が困難で生活が苦しい
- 返済のために食費や医療費を削ったり、必要なものを買えなくなったりしている
- 借金が原因で家族との関係が悪化している
- 精神的に追い詰められ、体調を崩している
②借金がどんどん増えている
- 利息が膨らんでしまい、元金が減らない
- 複数の業者から借金をしてしまい、返済が複雑になっている
- 借金が増え続けることに不安を感じている
③債権者から取り立てを受けている
- 頻繁に督促の電話がかかってくる
- 家に訪問される
- 職場に連絡が来ている
④将来の見通しが立たない
- 収入が安定せず、将来の返済が不安
- 失業や病気など、何かあったときに返済できなくなる可能性がある
借金減額はしかるべきプロに相談しよう
先述した通り、借金減額は司法書士や弁護士に相談したほうがよいです。
その理由を詳しくご説明します。
①法的な知識と経験が豊富
司法書士や弁護士は、債務整理に関する法律や手続きに精通しており、豊富な経験を持っています。
ご本人の状況を詳しくヒアリングし、最適な債務整理の方法(任意整理、個人再生、自己破産など)を提案してくれます。
債務整理の手続きは複雑で、専門用語も多いため、素人の方には難しいものです。弁護士や司法書士が代行することで、スムーズに手続きを進めることができます。
②債権者との交渉を有利に進める
債権者との交渉経験が豊富であり、有利な条件を引き出すことができます。
法的な根拠に基づいて交渉を行うため、債権者との交渉を円滑に進めることができます。
③多角的な視点からのアドバイス
今後の生活設計についてアドバイスしてくれます。債務整理後の生活設計について、具体的なアドバイスを受けることができます。
また借金減額以外にも、破産宣告や免責手続きなど、関連する手続きについてもアドバイスを受けることができます。
④精神的なサポート
借金問題を抱えていると、一人で抱え込みがちですが、専門家からの適切なアドバイスを受けることで、心の安定を取り戻すことができます。
⑤迅速な対応
緊急性の高い案件に対しても、迅速に対応することができます。
借金減額をプロに相談する際のポイント
- 複数の事務所に相談することで、より客観的に比較検討することができます。
- 手続き費用や成功報酬など、費用について詳しく確認しましょう。
わたしたちは借金が返せないことを責めません!
借金が返せない人の多くは、一人で不安や苦しみを抱えこんでいます。
「債務整理」は、法的に認められた、債務者の救済措置です。堂々と利用すべき制度なのですが、なかなか「相談」という一歩に踏み出せない人がいます。
なぜ、借金の悩みを打ち明けることができないのでしょうか?
その根本は、
「借金を返せないことは、大人として恥ずかしいこと」
という思い込み、偏見があると考えています。
借金というのは、悪いタイミングが重なることで、誰だって返済できなくなるリスクがあります。旅行、結婚式、葬儀、事故や入院などの予期せぬ出費……。
誰しもが、ちょっとした油断、間の悪さで、あっという間に返済額が膨れ上がり、気づけば「来月の返済額が給与をオーバーしている!?」といった状態になるのです。
ですから、わたしたち札幌債務整理相談センターは、借金を返せなくなった人を、責めることはありません。
債務整理の最大のメリットは、メンタルに余裕ができること!
- 毎日お金のことで頭がいっぱいの生活から解放される
- ゴールが明確になって安心して給料日を迎えられる
- 借金返済について相談できる相手がいるから孤独じゃない
いますぐご相談を!